魔法少女まどか☆マギカの感想

今更ニコニコで全部見た感想。

  • ストーリーについて

主人公「鹿目(かなめ)まどか」は家族や友達と平凡で幸せな毎日を過ごす普通の中学生だった。しかし、ある日を一点に「魔法少女」と深く関わり、生活が一変していく・・・。ネットで話題になっているよう非常にインパクトのある展開。1話から、よくある魔女っ子ヒロインもののパターンを踏みつつ、どこかずれている世界観。その咬み違いが次第に明らかになっていく。

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たとえば、魔法少女になってほしいと頼んでくるマスコット動物のキュウべえ。一見愛くるしい小動物だが、口が一切動かず(会話はテレパシーで行なわれる)、不気味に演出されている。

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暁美(あけみ)ほむらは、冷徹で言葉が少ないキャラである。当初は敵か味方か曖昧なポジションだったが、物語が進むに連れ、まどかをいつも見守ってること、冷たいのではなく現実を語っているのだと、だんだんと分かってくる。彼女のまどかへの思いは9話のさやかへの吐露、そして全貌が10話で判明する。最も熱い思いを秘めていたのは彼女だった。本作品を代表するキャラだと思う

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本作は(古くはZガンダムとかエヴァとか同じく)現実認知の物語だと思う。基本的に現実は非情、というスタンスで進む。奇跡などない、奇跡があれば相当の不幸を伴う(から差し引きゼロ)、と主張される。

ほとんどの場合、状況はどうにもならない。美樹さやかがあの奇跡を願ったのはほとんど仕方がない。そうしなければ上条は絶望から自殺したかもしれない。ああいう控えめな願いしか出来ないのも彼女の性格だろうし、しかし上条がそれを望んでいないのなら、いずれあの結果となるのも仕方ない。それを見て、まどかがさやかのために魔法少女になろうとするのも仕方ない。キュウべえは、この幸福から不幸への落差をエネルギーとして取り出すことが任務のようなので、キュウべえがこの状況の設定に加担しているのかもしれない。

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まどかは何も出来ない自分にコンプレックスを持っており、事あるごとに「他人のために何かしたい」と言い、魔法少女になりかかっていた。これだけチャンスがあったのにあと一歩で踏みとどまっていたことこそ「奇跡」かもしれない…。ほむらが「簡単に自分を犠牲にしないで。あなたを大事に思っている人のことも考えて」と諭したところは一番の名シーンだと思う。スルーされたけど。

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気になった点や疑問点のメモ

  • 主人公たちの苗字が名前になっている。「かなめまどか」「あけみほむら」「美樹さやか」「ともえまみ」「さくらきょうこ」。何かの意味があるかも(輪廻を表してるとか)と思ったが、特に何もなさそう?
  • 魔女と呼ばれる異世界の存在は、全て魔法少女のなれの果てなのだろうか?魔女に対抗するには魔法少女でなければならず、全ての魔法少女がいずれ魔女となって次の世代の魔法少女に滅ぼされる・・・なのか?
  • まどかの家庭が幸せすぎるのが気になった。もしかして魔法で作った仮の世界という落ちかも、と思ったがそういうことは無かったようだ・・
  • 志筑仁美が上条と付き合うといったのは、美樹さやかをたきつけるためかと思った。いくらなんでも毎日学校にいく友達の気持ちぐらい知っていそうなものだが・・・。上条に対してもお見舞いに行ってたようでもないし、よくわからん
  • 小瓶に魂を入れることで安全にした、とキュウべえが言っているが、なぜ安全なのか分からない。実際まどかに簡単に奪われ仮死状態にされたわけだし、ビンに触られただけで痛みを感じるようでは却って弱体化しているように見える。
  • 小瓶が本体なら、マミは生きてたんだろうか?
  • 思春期の少女の感情エネルギーを糧に、というネタはどこかでみたような気がしないでもないけど思い出せない。

→思い出した。ストライクウィッチーズだ。ちょっと違うけど。

  • 宇宙存在になるのは、やりすぎなように思える。風呂敷を閉じるというのは大事なことだけど、夢落ち並に強引な落ちだ。インパクトはあるけど。ジョジョ6部とか2001年宇宙の旅を思い出した。
  • キャラデザはこの絵だからヒットしたのかもしれないけど、個人的には残念。特にところどころアップに耐えないのが・・・。横顔は気にならなかった