漫画家・赤松健×小説家・桜坂洋 電子書籍対談(中編)

作家から見た「絶版」
http://www.itmedia.co.jp/news/articles/1102/04/news074.html

だから確認しなくちゃならないんですが、担当に「刷るのですか?」と確認したら、すぐには刷る予定はないと言う。では、絶版ということにしてくださいと依頼したので、現在は、『ラブひな』は絶版扱いになっています。僕の場合は講談社も「ご自由にどうぞ」という姿勢を見せてくれました。

赤松 確かにデータは印刷会社が持っていますが、作者にはくれません。

 小説の場合は、原稿のデータはあっても、作者は組版されたデータは持っていないので、もし自分で出し直そうとするとまた一からはじめるしかない。テキストの人はそこで苦労があるんですね。

 しかし、マンガの場合だと、出版社からフキダシにテキストがくっついた状態で原稿が戻ってくるし、ページ全体が丸々作者のものになってしまう。

 だから僕の『ラブひな』の配信の場合も、版面権についてのクレームは来てないです。

http://www.itmedia.co.jp/news/articles/1102/07/news070.html

僕自身は、二次創作同人誌が描かれることは、ファン活動としても非常に嬉しいんです。でもたまに、二次創作の方から、「『ネギま!』のショートストーリーを書いたんですが、ネットで発表してもいいですか?」ってモロに聞かれることがあるんです。

それに対して現状では「いいですよ」とは簡単に言えないですよ。正直なところ。そこは事情を察してほしい。本当に微妙な問題ですよね。

メモ

  • Jコミは、絶版マンガを作者の許諾をもとに広告収入方式で無料公開するサイト。広告収益は作者に還元される。
  • マンガの場合は組版されたものが作者に返される。小説の場合はそうでない。だからマンガではこういうデジタル化が可能だが、小説はそうでない(小説の組版データを流用すると訴訟になるかもしれないので、自分で組版データを作らなければならない)