なか卯の券売機のユーザインタフェース

以前のなか卯の券売機は松屋のように全メニューに対応したボタンが付いたものだったが、数ヶ月前に液晶+タッチパネルに変わった。これが使いづらく、それ以来行く機会も減ってしまった。


以前はメニュー1つ1つがボタンに対応していた。
ボタンを押したあとに現金を入れることもできた。
売れ筋?のセット系が一番上のグループに、どんぶりもの、うどん系、カレー系が続き、一番下に定食系があり、定食系まで目が行かず気づきにくかったが、とりあえず全メニューが一望できた。
こんな感じ
http://tabelog.com/osaka/A2708/A270801/27049409/dtlrvwlst/1574842/3575528/

タッチパネルになったとき、メニュー体系がドリルダウン式に変わった。すくなくともトップメニューは選択肢が少なくされた。
こんな感じ
http://tabelog.com/fukushima/A0704/A070401/7010407/dtlrvwlst/4996233/17608125/


これは非常に選択しづらい。
普通はメニューを眺めながら食べるものを決めるのであって、これでは最初のメニューで選択できない。
それで最初の頃は、トップメニューに出ている定食系ばかり選んでしまっていた。

いまは、これとは少し変わっているが、トップメニューが4択程度なのは変わらない。


これを設計した担当者は、まずメニューをツリー状に階層化して整理し、それをユーザーインタフェースに反映したのだと思う。このようなユーザインタフェースを作ってしまう理由は分かる。自分もこのようなドリルダウン式に繰り返し選択していくインタフェースを以前設計したことがあるが、不評だった。


主な問題は以下の点にある。
(1)選択後の状態がわからないので選択できない。デザイナーとしては、メニューツリー全体がどうなっているか知らなくても選択の繰り返しで全メニューにたどり着けると考えているのだろうが、実際は逆に、メニューツリー全層を記憶していることが前提となっている。
(2)普通何を食べるかはその場でメニューを見ながら決める。どんなメニューがあるか覚えていないし、新メニューがあるかもしれない。しかしこれでは何を食べるかあらかじめ決めている人向けのインタフェースになってしまっている。

自分の場合を見ても、これは客を減らす最悪のメニューデザインだと思う。


あと、現金を要れずにメニューを選ぶと、「先にお金を入れろ」というエラーメッセージがでる。デザインした人は、お金を入れてからメニュー選択するのを「正しい」手順としているのだろう。しかし、使う側の心情が全く考慮されてない。まずメニューを選ぶのが普通である。
しかも、本来、エラーでなく、単に現金投入を待てばよかった。JRの券売機だってそうなっている。エラーにしていることは、その手順は間違っているとしているわけだ。どうも使用者の心情など考慮せず、合理性だけからメニューをデザインしているようにみえる。



アプリのユーザインタフェースでも、一画面に全部出す方が使いやすい。Office2010のリボンインタフェースも、どのリボンに何があるか覚えるまで非常に使いづらかった。ただ、機能の多いアプリの場合、全機能を一画面に配置することは物理的にできない。開発・メンテの点でも、選択アイテムの増減で画面デザインのしなおしになってしまう、というデメリットがある。

理想的には一画面に全部配置だが、どうしても階層化(別タブ化、ダイアログに追い出し等含む)をせざるをえず、いかに塚安くするかが課題となる。おそらく、そのアイテムを選択するとどうなるかを、いかに提示するかがカギだろう。

ーー

なか卯について似たような不満をもってる(っぽい)ブログがあった。
http://donabeneko.jp/blog/20130709001353.html