チェンクロ


「チェンクロって大長編なんだろ」
「はい」
「そうか。エンディングまで見れるかな。ゴホゴホ」
「なに弱気なこと言ってるんですか。元気だしてくださ」
ぶつ
「あー!せんぱーいせんぱーーい」


「チェンクロって最近のスマホRPGと違うらしいね」
「ちゃんと終わりがあるんですよ」
「え?」
「だから最後ちゃんと終わるんですよ」
「・・・・」
「きいてます?」
「最後とか終わるとか言うなあー」


「今日びのゲームは終わりがなくていけないねえ」
「そういうの多いっすね」
「わしらの頃ならありえんな」
「昔のゲームも終わりなかったですよね」
「・・・・そうだったかのう」


「昔はね、俺にも仲間がいたんだよ」
「メガモデム、メガCD、メガCD2、ワンダーメガ、マルチメガ、
スーパー32X、仲間全員にドラマがあるんだよ。わかる?」
「わかりますよ先輩」


「せんぱい、チェンクロどうでした?」
泣き声
「いや感動してくれるのはありがたいんですけど」
泣き声
「あのー先輩]
泣き声
「鼻水出てます」
「あらやだ」


スマホRPGってキャラに人格が無いじゃないですか」
「ゴメンナサイ、ワカリマセン」
「だからチェンクロは」
「ニホンゴワカリマセン」
「全員に人生があるんですよ」
「ワカリマセン」


「なんかなつかしい感じがするね」
「よく言われます」
「俺らの頃のRPGに近いよ」
「ありがとうございます」
「あの頃チェンクロがあればなー」
「なんですか突然」
「勝てたかもな。いや、勝てた」
「誰と戦ってるんですか」


「おまえ、本格派なんだってな」
「ええ、よく言われますね」
「ってことは直球に力があってさ」
「はい」
「変化球に切れがあって」
「はい」
「先発完投も出来る」
「はい」
「そんなタイプだろ?」
「全然違います」