レトロハッカーズ「12光を追いかけたもう一人のアルバート」

「簡単に計算できる」で端折ってるところが気になった。

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望遠鏡を何度傾けてやらなければならないかが測定できれば地球の速度と光の速度の相対比が計算できる。ところがブラッドリーは光の速度を計算しなかった。

そこでブラッドリーは太陽から地球まで光が届くまでかかる時間を計算した。
地球の公転軌道を園と考えればその円の大きさがどのくらいであっても
地球はその円を365.256日で一周するわけだから、地球が円の半径を移動するのにかかる時間は簡単に計算できるし、同じ円の半径つまり太陽から地球までを速度の比が分かってる光が移動するのにかかる時間も簡単に計算できるからだ。

  • 光行差より、光速(c)と地球の速度(v)の比は分かってる。
  • 地球が円の半周を移動する時間も分かってる。(365.256/2 日=半年)
  • これから太陽の光が地球に届くまでの時間が分かるのか?
  • 公転軌道を円とするが半径をrの正確な値は分からないとする
  • 計算は以下の通り;


地球の速度 v = πr / 半年
光行差 a = v / c は既知(測定済み)とする。

太陽から地球に光が到達するまでの時間
= r / c
= (v・半年 / π) / c
= (a・c・半年 / π) / c
= a・半年/π

  • よって、光行差から(光速度と公転半径を使わずに)到達時間を計算できる。
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同じ距離を同じ速さで流れを横切って往復する場合と、流れの方向に往復する場合でかかる時間はどちらが速いだろうか。流れ方向に往復する場合、上るときは流れの分だけ遅くなり下るときは流れの分だけ速くなるので流れが無いときと変わらないように思ってしまう人もいるかもしれないが、実は流れ方向に往復する場合は必ず遅くなる。これは算数レベルの問題で流水算という名前もつけられている。


ボートの移動速度v、流れの速さをaとして、移動距離をxとすると
横方向 = (x / v) + (x / v) = 2x / v
流れ方向 = x /(v + a) + x / (v - a)
= ( x(v-a) + x(v+a) ) / (v^2 + a^2)
= 2xv / (v^2 + x^2)
= 2x / (v + a^2/v)

a^2/v が大きいほど流れ方向が遅くなる。