「トルエル」はフェルマーの最終定理 (新潮文庫)に書かれていたゲーム理論の例題。ちょっとググってみた限りでは、この本の引用しか見つからなかった。
問題は以下の通り。
クロ氏とグレー氏とシロ氏がピストルで決闘することになった。クロ氏はピストルが下手で、3回に1回しか当たらない。グレー氏は3回に2回当たる。シロ氏は百発百中当たる。そこで公正を期するために、クロ氏から始め、グレー氏、シロ氏の順番でピストルを撃つことになった。決闘は一人だけ生き残るまで続けられる。クロ氏は初めにどこを狙うべきか?
補遺に解説がある。
クロ氏がグレー氏を狙うという手を検討してみる。グレー氏に当たる確率は1/3だが、たとえそれに成功しても次にクロ氏を狙うのは百発百中のシロ氏なので確実にクロ氏は死んでしまう。
それよりマシな戦略はシロ氏を狙う手である。シロ氏の狙撃に成功した場合、次のグレー氏の狙撃がクロ氏に当たる確率は 2/3 なので、生き残る可能性がある。
しかしそれより良い手がある。クロ氏は空に向かって撃つのである。次のグレー氏は当然ながらシロ氏を狙う。シロ氏が生き残ったときシロ氏もグレー氏を狙うだろう。
これが最善な策である。クロ氏はこの戦略をとることにより、三人でやる決闘の最初の一発を撃つのではなく、二人による決闘の最初の一発を撃つことになるのである。
なんとなく分かる気もするがそうだろうか。確かに上位二人をつぶしあわせた方が良い気はするが、いまいち確証が持てないので、計算してみる。
グレー氏を狙う場合
- 1/3(グレーに当たる)x 0 (確実にクロが倒される)
- 2/3(グレーに当たらない) x 1/3 (グレーとシロの生き残った方と戦う)
- クロとグレーは互いに外し続ける可能性があるが誤差として計算しない(以下同様)
- 約 2/9 = 6/27
シロ氏を狙う場合、
- 1/3 (シロに当たる) x (1/3 x 1/3 (グレーが外しクロがあてる)
- 2/3(シロに当たらない)x 1 (シロがグレー倒す)x 1/3 (クロがシロを倒す)
- 1/27 + 2/9 = 7/27
空に撃った場合、
- 2/3 (グレーがシロを倒す)x 1/3 (クロがグレーを倒す)
- 1/3 (グレーがシロを倒せずシロがグレーを倒す) x 1/3 (クロがシロを倒す)
- 2/9 + 1/9 = 1/3 = 9/27
確かに